「日本人の味覚とだし」でご存知のとおり、人の味覚である
甘味、酸味、塩味、苦味、旨味の5つのなかで、美味しいと感じるのが「旨味」。
「だし」をベースに料理を作ることが美味しさの決め手になるのは、
味覚の「旨味」が、「だし」に溶け込んだ「旨味」を感じ取るからなのです。
例えば、うどんやそばのつゆは、関東と関西では味つけがかなり違います。
しかし、つゆを作るベースになっているものは「だし」です。
味つけする前の「だし」の旨味は全国共通です。
「だし」には、味をまろやかにする効果や「コク」を出す効果があります。
先ほどのうどんやそばのつゆを例にすると、関西のつゆは薄口。
これこそ「だし」がきいているといえる美味しさです。
一方、関東のつゆは、見た目も濃く、醤油も多く入っています。でも、塩辛くはなく、美味しいです。
これは「だし」がつゆの味を、まろやかにしているからだと言えます。
「だし」をきかした料理は、健康にも良いのです。
「だし」をきかした料理なら、薄味でもとても美味しく食べることができます。
薄味にすることは、素材の持つ美味しさを引き出してくれます。
また、味噌汁の味などは各家庭の一軒ごとに違いがあります。
しかし「だし」は、かつお節でも煮干でも、その旨味は同じです。
天然の「だし」の旨味は、全国各地で毎日作られる、美味しい料理の基本になっているのです。